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2021年度 バイオサイエンスにおけるビッグデータ (4064)

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科目区分 専門科目 教職科目 理科
単位数 1 選択・必修・自由 選択
授業形態 講義 主な使用言語 英語
開講時期 履修登録システム 使用する
履修登録期間 2021/10/14~2021/11/04 履修取消期限 2021/11/17

教育プログラム別の履修区分

プログラム名 IS CB BS BN MS CP DS
履修区分
コア科目 C
履修方法 ・修士論文研究又は特別課題研究を履修する場合は、基盤科目及び専門科目から12単位以上履修すること。
・課題研究を履修する場合は、基盤科目及び専門科目から14単位以上履修すること。
・コア科目の履修方法については、入学年次の教育課程表の(2)履修方法を参照すること。

授業科目概要

担当責任教員 作村 諭一
担当教員 作村諭一
教育目的/学修到達目標 【教育目的】
ゲノム研究がもたらした技術革新は21世紀に入り、システム生物学、合成生物学と新たな方向へと急速に展開されてきた。そこから生み出される研究成果は生物学としての蓄積から医療、物質生産、環境保全など幅広い分野での応用技術へと急速な広がりをみせている。本科目ではバイオサイエンス領域におけるビッグデータの利用について俯瞰し、包括的に理解することを目標とする。

【学修到達目標】
1) バイオサイエンスのビッグデータの例について説明、記述できる。
2) ビッグデータの解析手法について整理、議論ができる。
3) ビッグデータからの知識発見について俯瞰、表現できる。
4) ビッグデータに関する簡単な解析ができる。
授業概要/指導方針 【授業概要/指導方針】
まず、バイオサイエンスにおけるビッグデータ利用について概説し、具体的なデータソースの入手法などを学ぶ。さらにDNA配列、タンパク質、代謝物、文献、医療情報などのデータベースの歴史と現状を理解しの歴史と現状を理解し、オントロジーや機械学習によるデータ活用技術を学ぶ。

■ 対面とオンラインで開講予定。オンラインURLは後日連絡。

各回毎に授業内で与えられたAssignmentの予習2時間
各回毎に復習2時間程度

クラス情報



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授業計画

[1限目 9:20-10:50] [2限目 11:00-12:30] [3限目 13:30-15:00] [4限目 15:10-16:40] [5限目 16:50-18:20] [6限目 18:30-20:00]
回数 日付 [時間] 担当教員 テーマ 内容
1 11/15 [2] 有田誠 (慶應義塾大学) 最先端リピドミクスで解き明かす脂質多様性の生物学と疾患制御 脂質は生体膜を構成し,エネルギー源としての役割に加え,シグナル分子やその前駆体として働く多彩な役割を担う生体分子である.よって生体内の脂質多様性や代謝ネットワークを捉えることは,その生物学的意義や疾患のメカニズムを理解する上で極めて重要である.我々は、生体内の脂肪酸やリン脂質の代謝を網羅的かつ定量的に把握するためのリピドミクス解析システムを構築し,炎症・代謝性疾患の制御において脂肪酸代謝バランスが重要であることを示してきた.中でも,EPAやDHAなどω3脂肪酸が脂肪酸オキシゲナーゼにより活性代謝物に変換され,積極的に抗炎症作用や組織保護作用を発揮することを見出してきた.
 一方で,近年の質量分析技術の進歩は脂質研究に大きなインパクトを与えた.従来解析されてきた脂質分子は氷山の一角に過ぎず,生体内には10万種を超える多様な脂質が存在することが示唆された.我々は,ヒトおよびマウスの組織・細胞・腸内細菌叢などの脂質成分を網羅的に捉えるため,ノンターゲットリピドミクスの解析基盤を確立した.さらに,脂質分子の構造および定量情報を投影するシステムを構築し,疾患やバイオロジーと相関を示す脂質代謝ネットワークの解明を行っている.このように高網羅的かつ未知分子探索型のノンターゲット解析技術の開発により,既知の範囲内での分子計測にとどまらず,これまでに知られていない生理機能や活性代謝物の同定につながり,脂質の多様性がある一定のバランスをもって存在することが生体恒常性の維持においてどのような意味があるのか,またそれが破綻したときにどのような疾患につながるのかなど,メカニズム不明であった生命現象や病態に対して根本的な解を与えることが期待されている.
2 11/17 [2] 山西芳裕 (九州工業大学) AIによるデータ駆動型研究が拓く生命医科学と創薬 近年の生命医科学では、疾患に関するゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム、インターラクトームなどのオミックス情報が得られるようになり、生体内分子の網羅的解析が可能になった。同時に、膨大な化合物や薬物に関するケミカル情報も蓄積されている。本研究では、疾患に関するマルチオミクス情報・臨床情報、化合物に関する化学構造・遺伝子発現・標的分子情報などの医薬ビッグデータを融合解析し、創薬標的分子や治療薬を探索する機械学習手法の開発を行った。疾患・生体分子・医薬品候補化合物ネットワークを大規模に予測するデータ駆動型アプローチであることが特色である。当日は、ドラッグリポジショニング、精密医療、パスウェイ創薬、漢方薬・食品リポジショニング、ダイレクトリプログラミング、医薬品分子構造設計への応用例を紹介する。
3 11/19 [2] 津川裕司 (東京農工大学) 質量分析インフォマティクスによる生体システムの深層理解 質量分析(MS)は、親水性および脂質代謝物やタンパク質などの分子を(イオンとして)検出する分析手法です。現在、MSを用いたオミクスアプローチにより、メタボローム(代謝物総体)やプロテオーム(タンパク質総体)の包括的プロファイルを通じて複雑な生命システムの解明が進められています。その中でも、質量分析データを分子構造に変換し、そのプロファイルをシステムバイオロジーに活用する研究分野として、質量分析インフォマティクス(Computational Mass Spectrometry: CompMS)があります。MSは、メタボロミクス、リピドミクス、プロテオミクス、グリコミクス、そしてRNAの分析など、さまざまなオミクス科学に不可欠な技術です。つまり、CompMS研究を進展させることは、ライフサイエンス研究においてとても重要です。本講義では、MSデータがどのように処理され、マススペクトルをどのように紐解くことで新規構造の発見に貢献できるのかを教えます。
4 11/24 [2] 松田史生 (大阪大学) 代謝計測とビッグデータ 代謝機能を活用するには、その構成要素(酵素タンパク質、代謝物)に関する分子レベルの理解が進み、今後は代謝システム全体の振る舞いに関する定量的な理解が求められる。それには、ビッグデータをうまく活用しながら、代謝を定量的に計測する。計測データを解釈する。代謝を計算機中に再現するアプローチが求められる。そこで本講義では、ビッグデータを模擬的に作成し、ピークピッキングAIを作成した例、ビッグデータがなくても計測データの多階層化で代謝の計算機シミュレーションを可能にした例など紹介する。
5 11/26 [2] 柚木克之 (理化学研究所) データ駆動型および仮説駆動型オミクス統合による代謝制御のシステム生物学 細胞代謝の恒常性は、様々なオミクス階層に発して代謝酵素を標的とする調節経路によって維持される。本セミナーでは、多階層代謝調節システムの全体像に関する仮説の生成とメカニズムの発見を可能にするデータ駆動型および仮説駆動型のオミクス統合研究を紹介する。
前半では、データ駆動型オミクス統合により、インスリン用量依存的に機能する2つの階層縦断的制御軸が特定した例を示す。我々は、ERKを介する制御軸が主に高用量インスリンに特異的に応答し、転写レベルで細胞機能を調節することを見出した。これとは対照的に、AKTを介する制御軸は低用量インスリンに特異的に応答し、翻訳レベルを調節していた。
後半では、仮説駆動型オミクス統合により「代謝プライミング」を発見した例を紹介する。代謝プライミングとは、同化を担う代謝酵素のインスリン依存的リン酸化が基質代謝物の蓄積に先んじて惹起され、これによってグルコースを特定の同化経路に「引き込む」ことを可能にする現象である。
このようなデータ駆動型および仮説駆動型のオミクス統合解析をサイクルとして実施することにより、オミクス統合なしには同定できない、代謝調節の新しい動的、定量的、網羅的なメカニズム解明が可能となる。

関連文献
1. †Kawata, †Hatano, †Yugi et al., “Trans-omic analysis reveals selective responses to induced and basal insulin across signaling, transcriptional, and metabolic networks”, iScience 7:212-229, 2018.
2. †Krycer, †Yugi et al., “Dynamic metabolomics reveals that insulin primes the adipocyte for glucose metabolism”, Cell Rep. 21:3536–3547, 2017.
6 11/30 [2] 沖真弥 (京都大学) 空間的な遺伝子発現制御のしくみを探る 我々は世界中で報告された全てのChIP-seqデータ(約14万件)を統合し、その包括的な理解を可能とするウェブサービスChIP-Atlasを開発した (Oki et al 2018 EMBO Rep)。現在、その膨大なデータを駆使し、各種組織の分化、遺伝的な疾患、また創薬に関わるマスター制御因子の探索を進めている。また我々は光学と化学を融合した新規ゲノミクス技術photo-isolation chemistryを開発した(投稿中)。これにより、多様な細胞タイプが混在した組織において興味のあるエリアに特定波長の光を照射すると、その照射領域だけの遺伝子発現やエピゲノム情報を取り出すことができる。本セミナーでは情報解析と新規技術を駆使することで、遺伝子発現の空間的な制御のしくみについて議論したい。
7 12/2 [2] 宇田新介 (九州大学) 情報理論的アプローチによる生物学データの解析 講義概要:近年,生物学実験における測定技術は大きな進歩を遂げている.特に,シグナル伝達活性やRNA発現量を1細胞レベルで大量に測定できるようになり,定量性も向上している.そのため,従来よりもサンプルサイズの大きなデータが得られるようになり,情報理論的なアプローチによる生物学データの解析が可能となってきた.本講義では,情報理論的アプローチから生物学データを解析した研究例をいくつか紹介し,問題点と今後の発展性について述べる.
8 12/6 [2] 森浩貞 (広東農業研究所) バイオサイエンスに於けるビッグデータ解析 技術革新がもたらす膨大なデータをもとにした生物学。20世紀中頃の分子生物学の勃興と同様に、ヒトゲノム計画を発端とした生物学におけるパラダイムシフトが20世紀の最後の10年で起こり、現在も加速している。その背景と現在、そして今後の方向性を議論する。

授業日程

[1限目 9:20-10:50] [2限目 11:00-12:30] [3限目 13:30-15:00] [4限目 15:10-16:40] [5限目 16:50-18:20] [6限目 18:30-20:00]
回数 日付 時間 講義室 備考
1 11/15 2 L2(IS)
2 11/17 2 L2(IS)
3 11/19 2 L2(IS)
4 11/24 2 L2(IS)
5 11/26 2 L2(IS)
6 11/30 2 L2(IS)
7 12/2 2 L2(IS)
8 12/6 2 L2(IS)

テキスト・参考書

テキスト 特に指定しない。
参考書 細胞の分子生物学 原書第5版(ニュートンプレス)
 Practical Bioinformatics (Garland Science)

その他

履修条件 特になし
オフィスアワー Eメールで連絡の上、日時を決める
成績評価の方法と基準 ・5段階(秀・優・良・可・不可)で評価する。
・評価は、毎回のミニテスト(50%)、期末レポート(50%)によって行う。
・バイオサイエンスにおけるビッグデータ解析の基本概念の理解、専門知識の習得を基準とする。
関連科目 バイオDXプログラミング演習 I & II、バイオDXデータ処理演習Ⅰ & II、バイオサイエンスにおける統計と数理
関連学位 理学、工学、バイオサイエンス
注意事項 特になし

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